平成30年7月13日(金)
- 2018/07/13
- 23:00
平成30年7月豪雨
①被災地へ
7月12日現在、死者183人行方不明者38人という甚大な被害をもたらした豪雨。
その調査と支援のために、被災地に赴いた。
写真は堤防が決壊した、岡山県倉敷市真備町服部地区。

②2階で救出を待ったご主人
写真のご主人は、2階のベッドに登りそこで胸まで水に浸かった状態で救出を待った、という。
生きた心地はしなかっただろう。
「市役所の避難勧告に従って、すぐに逃げていれば、こんな思いをせずに済んだ。自分のせいだ」とおっしゃった。
しかし自己責任であろうがなかろうが、逃げ遅れた人がひとりでもいたら、行政はその人を必ず助けに行く。
倉敷市真備町服部地区。

③ウォーターライン
このお宅のベランダを見ると、ウォーターラインがくっきり判る。
ここまで水に浸かったのだ。
次々とベランダから投げ落としているのは、2階の水に浸かったもの。
庭には、捨てざるを得ないものが、山と積まれている。
倉敷市真備町有井地区。

④悪臭
倉敷市立川辺小学校の体育館は、大人の背の高さまで水に浸かった様子。
割れたガラスから中を覗くと、ひどい悪臭。
こうした臭いは、現地に来て見なければわからない。

学校に赴いたのは、午後5時。
しかし時計は8時35分を示しているところを見ると、この時間に大きな被害があったのだと想像される。

小学校は災害避難場所に指定されていたことが、後ろの標識から判る。
「災害」とは恐らく地震のことを指し、水害は想定していなかったのだろう。

体育館の内部。

⑤地元薬剤師会の先生方
避難所となっている、倉敷市立岡田小学校。
地元薬剤師会の先生方と。
2日間で40件程の処方箋を処理したとおっしゃる。
後ろは、救急車型の移動調剤室。
私がこれまで見てきた国内各地の災害現場で、必ず活躍されているのが薬剤師会。

⑥高校生
避難所になっている倉敷市立岡田小学校には、350人が避難している。
私が伺った午後6時は、ちょうど夕食の時間。
岡山山陽高校の学生さんたちが、コックコートとトックブランシュ(コックさんの帽子)に身を包み、配膳のお手伝い。
高校生はそこにいるだけで、周りに元気を与える貴重な存在。
私の気持ちまで明るくなった。
高校生の秘める生きる力は、本当に凄いと思う。

今夜のメニューは、オムライスか豚丼。
見るからに美味しそうだ!

こうして目の前で調理している。
実に素晴らしい。

このブースは、かき氷!

翌日(7月13日)のお昼は、倉敷国際ホテルのカレーライス。
ホテルスタッフは汗びっしょりで大活躍。

⑦職員さんの派遣
倉敷市では、福岡市のゼッケンを付けた職員さんの姿が目立っている。
聞いてみると、倉敷市に50人規模で各3泊4日の派遣体制が取られているという。
どこに泊まっているのか伺うと、何と車中泊。
お風呂は遠くのスーパー銭湯。
食事は基本的に自前の物(但し被災者の皆さん用の物が余り、かつ悪くなりそうな物の際には、分けてもらうこともある)とのこと。
東京都が行なっている支援状況は、以下のリンクの通り。
<東京都防災ホームページ>
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/smart/saigai/1005862/index.html

伊東香織・倉敷市長が福岡市出身とのこと。
福岡市の手厚い支援は、そのことと関係あるかもしれない。
7月13日、岡山駅で東京都の職員の方から声を掛けられた。
まずは今月いっぱい、30人規模で支援活動に従事するとのこと。
体調に気を付けて、大いに頑張って欲しい。
⑧車椅子の被災者
車椅子の被災者は、避難所となっている倉敷市立二万小学校体育館では暮らせない。
ではどこに避難しているかというと、特別養護老人ホーム。
食事代は当初は有料だったが、途中から「ひとりだけのことだから」と無料になったとのこと。
ペットに会いに、毎日この避難所に来ているところに、お話を伺った。
自宅からの避難の際にはペットを置いて行くように言われ、そのことをひどく悲しんだら、その後自衛隊がペットを連れて来てくれて本当に嬉しかったとのお話は、とても良かった。
「こいつは、保健所にいるところを連れてきました。今回の水害も含めて、2回命拾いしたんです」とこのご主人。

こちらは、岡田小学校でお話を伺ったご主人。
私たち政治家は、ひとまとめに「被災者の皆さん」と捉えがちだが、個々に抱える事情は全て異なる。
お一人おひとりからお話を伺うことで、そのことに改めて気付く。

⑨ガレキの集積場所
倉敷市立真備東中学校の校庭は、ガレキの集積場所に。
自衛隊がここでも大活躍。
ヘリコプターやボートを使っての救命活動はもちろん、被災者用のお風呂の提供や、こうしたガレキの収集運搬など、自衛隊のカバーする範囲は本当に広い。
国民のひとりとして、感謝の気持ちでいっぱいだ。

この真備東中学校に設置されていた簡易トイレ。
ウォシュレットに慣れた私たちにとって、災害時のトイレ対策は難しい問題だ。
改めて提起したい。

⑩防災の本質
死者が発生したのが12府県という広域災害。
その中で私が今回赴いたのは、岡山県倉敷市だけに過ぎない。
しかし酷暑の中、水に浸かった家を黙々と片付ける方々や、それを手伝う皆さんの姿を目の当たりにし、防災の大切さと自らの使命を再認識した。
葛飾区議の大高拓さん、そして防災士研修センター常務の玉田太郎さん。
二人の防災士と共に、精力的に活動させて頂いた。
また別の防災士のチームが同時期に被災地を廻り、また避難所で活躍している防災士にも会えた。
ここ倉敷市立岡田小学校の体育館には、クーラーが付いている。
これは稀な事例だろう。
災害はひとつとして同じものは無い。
その都度その都度、適切な判断と対応が必要だ。
今は行方不明者の発見と、被災者の生活再建に全力を傾ける時期だ。
しかし防災の本質は、被害が発生する前に、如何にしてその被害を減らすか、にある。
現場を見て、沢山の人のお話を伺い、そしてよく考え、防災に臨みたい。
一日も早い復旧復興を心からお祈り申し上げます。

おまけ
岡山県からの帰りの新幹線は、三人掛けの自由席。
リクライニングのレバーを引っ張ったら、隣の人の席が倒れた。
その人は無表情で前を見たまま、ご自身で元の位置に戻した。
笑うなり怒るなり、少なくとも私の顔を見そうなものだが、全くの無表情で前を見たまま。
お詫びを申し上げつつも、それがおかしくて、私は笑いを噛み殺した。
間違ってごめんなさい!
①被災地へ
7月12日現在、死者183人行方不明者38人という甚大な被害をもたらした豪雨。
その調査と支援のために、被災地に赴いた。
写真は堤防が決壊した、岡山県倉敷市真備町服部地区。

②2階で救出を待ったご主人
写真のご主人は、2階のベッドに登りそこで胸まで水に浸かった状態で救出を待った、という。
生きた心地はしなかっただろう。
「市役所の避難勧告に従って、すぐに逃げていれば、こんな思いをせずに済んだ。自分のせいだ」とおっしゃった。
しかし自己責任であろうがなかろうが、逃げ遅れた人がひとりでもいたら、行政はその人を必ず助けに行く。
倉敷市真備町服部地区。

③ウォーターライン
このお宅のベランダを見ると、ウォーターラインがくっきり判る。
ここまで水に浸かったのだ。
次々とベランダから投げ落としているのは、2階の水に浸かったもの。
庭には、捨てざるを得ないものが、山と積まれている。
倉敷市真備町有井地区。

④悪臭
倉敷市立川辺小学校の体育館は、大人の背の高さまで水に浸かった様子。
割れたガラスから中を覗くと、ひどい悪臭。
こうした臭いは、現地に来て見なければわからない。

学校に赴いたのは、午後5時。
しかし時計は8時35分を示しているところを見ると、この時間に大きな被害があったのだと想像される。

小学校は災害避難場所に指定されていたことが、後ろの標識から判る。
「災害」とは恐らく地震のことを指し、水害は想定していなかったのだろう。

体育館の内部。

⑤地元薬剤師会の先生方
避難所となっている、倉敷市立岡田小学校。
地元薬剤師会の先生方と。
2日間で40件程の処方箋を処理したとおっしゃる。
後ろは、救急車型の移動調剤室。
私がこれまで見てきた国内各地の災害現場で、必ず活躍されているのが薬剤師会。

⑥高校生
避難所になっている倉敷市立岡田小学校には、350人が避難している。
私が伺った午後6時は、ちょうど夕食の時間。
岡山山陽高校の学生さんたちが、コックコートとトックブランシュ(コックさんの帽子)に身を包み、配膳のお手伝い。
高校生はそこにいるだけで、周りに元気を与える貴重な存在。
私の気持ちまで明るくなった。
高校生の秘める生きる力は、本当に凄いと思う。

今夜のメニューは、オムライスか豚丼。
見るからに美味しそうだ!

こうして目の前で調理している。
実に素晴らしい。

このブースは、かき氷!

翌日(7月13日)のお昼は、倉敷国際ホテルのカレーライス。
ホテルスタッフは汗びっしょりで大活躍。

⑦職員さんの派遣
倉敷市では、福岡市のゼッケンを付けた職員さんの姿が目立っている。
聞いてみると、倉敷市に50人規模で各3泊4日の派遣体制が取られているという。
どこに泊まっているのか伺うと、何と車中泊。
お風呂は遠くのスーパー銭湯。
食事は基本的に自前の物(但し被災者の皆さん用の物が余り、かつ悪くなりそうな物の際には、分けてもらうこともある)とのこと。
東京都が行なっている支援状況は、以下のリンクの通り。
<東京都防災ホームページ>
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/smart/saigai/1005862/index.html

伊東香織・倉敷市長が福岡市出身とのこと。
福岡市の手厚い支援は、そのことと関係あるかもしれない。
7月13日、岡山駅で東京都の職員の方から声を掛けられた。
まずは今月いっぱい、30人規模で支援活動に従事するとのこと。
体調に気を付けて、大いに頑張って欲しい。
⑧車椅子の被災者
車椅子の被災者は、避難所となっている倉敷市立二万小学校体育館では暮らせない。
ではどこに避難しているかというと、特別養護老人ホーム。
食事代は当初は有料だったが、途中から「ひとりだけのことだから」と無料になったとのこと。
ペットに会いに、毎日この避難所に来ているところに、お話を伺った。
自宅からの避難の際にはペットを置いて行くように言われ、そのことをひどく悲しんだら、その後自衛隊がペットを連れて来てくれて本当に嬉しかったとのお話は、とても良かった。
「こいつは、保健所にいるところを連れてきました。今回の水害も含めて、2回命拾いしたんです」とこのご主人。

こちらは、岡田小学校でお話を伺ったご主人。
私たち政治家は、ひとまとめに「被災者の皆さん」と捉えがちだが、個々に抱える事情は全て異なる。
お一人おひとりからお話を伺うことで、そのことに改めて気付く。

⑨ガレキの集積場所
倉敷市立真備東中学校の校庭は、ガレキの集積場所に。
自衛隊がここでも大活躍。
ヘリコプターやボートを使っての救命活動はもちろん、被災者用のお風呂の提供や、こうしたガレキの収集運搬など、自衛隊のカバーする範囲は本当に広い。
国民のひとりとして、感謝の気持ちでいっぱいだ。

この真備東中学校に設置されていた簡易トイレ。
ウォシュレットに慣れた私たちにとって、災害時のトイレ対策は難しい問題だ。
改めて提起したい。

⑩防災の本質
死者が発生したのが12府県という広域災害。
その中で私が今回赴いたのは、岡山県倉敷市だけに過ぎない。
しかし酷暑の中、水に浸かった家を黙々と片付ける方々や、それを手伝う皆さんの姿を目の当たりにし、防災の大切さと自らの使命を再認識した。
葛飾区議の大高拓さん、そして防災士研修センター常務の玉田太郎さん。
二人の防災士と共に、精力的に活動させて頂いた。
また別の防災士のチームが同時期に被災地を廻り、また避難所で活躍している防災士にも会えた。
ここ倉敷市立岡田小学校の体育館には、クーラーが付いている。
これは稀な事例だろう。
災害はひとつとして同じものは無い。
その都度その都度、適切な判断と対応が必要だ。
今は行方不明者の発見と、被災者の生活再建に全力を傾ける時期だ。
しかし防災の本質は、被害が発生する前に、如何にしてその被害を減らすか、にある。
現場を見て、沢山の人のお話を伺い、そしてよく考え、防災に臨みたい。
一日も早い復旧復興を心からお祈り申し上げます。

おまけ
岡山県からの帰りの新幹線は、三人掛けの自由席。
リクライニングのレバーを引っ張ったら、隣の人の席が倒れた。
その人は無表情で前を見たまま、ご自身で元の位置に戻した。
笑うなり怒るなり、少なくとも私の顔を見そうなものだが、全くの無表情で前を見たまま。
お詫びを申し上げつつも、それがおかしくて、私は笑いを噛み殺した。
間違ってごめんなさい!